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小栗 英知
no journal, ,
J-PARCで稼動中の六ホウ化ランタン製フィラメントを用いた負水素イオン源は、加速器ビームスタディの内容により、高出力(約30mA)と低出力(約5mA)の運転を交互に行ってきた。運転開始から現在までの約3年の間、イオン源トラブルによる加速器ビーム停止時間は延べで60時間程度であり、イオン源の稼働率は現状、99%以上である。初期のトラブルはおもにフィラメントの不具合によるものであったが、フィラメント構造の改良を重ねた結果、現在では2030時間(うち高出力運転が780時間、低出力運転が1250時間)のフィラメント連続使用実績を得ている。また、高出力モード運転時のビーム電流減少率は-0.4mA/dayと低く、イオン源オペレータによるビーム電流調整操作は1日1回程度である。本イオン源は、長時間フルスペック運転の実証など幾つかの課題がまだ存在するが、おおむね実用機として十分なビーム性能と信頼性を有していると言える。本研究会では、本イオン源の現状性能の詳細、及び最新の開発研究状況について発表する。